人工妊娠中絶

手術をする前に

妊娠後、身体的・社会的な事情で断念せざるを得ない場合、中絶手術や娩出などの方法を選ばなくてはなりません。 いずれにしても心や体に何かしらの負担が生じます。人工妊娠中絶における治療や技術的な点に関しては私達が責任もって対応しますが、心に掛かる負担はパートナーの方をはじめ、ご家族やお友達など周りにいらっしゃる方のご理解やサポートも大切な存在となります。 すべてをひとりで受け止めようとせずに、まずは周りの方とよく話し合われてから御来院ください。
当クリニックでは合併症のない11週までの人工妊娠中絶手術に対応しています。 診察上、処置が難しい場合には、他院をご紹介する場合がありますのでご相談ください。

妊娠週数が進むにつれて、負担も大きくなります

妊娠週数が進むと妊娠組織の量がふえ、子宮が大きくなるため術中の出血も多く処置後の回復が遅れる傾向があります。子宮内妊娠確認後は手術を行うことが可能です。

早い受診が重要です

妊娠している可能性に気付いたらまず受診してください。中絶する場合には手術が遅れることで心身や経済的な負担が大きくなり、回復にも余計に時間がかかります。

受診のタイミング

生理予定日を1週間過ぎても生理が来ない場合、市販の妊娠検査薬を利用し妊娠の有無を確認して下さい。市販の妊娠検査薬で陽性が出たら、できるだけ早く産婦人科を受診してください。どうするか迷っている/中絶を考えている場合には、そのことを医師にお伝えください。

手術までの受診回数および必要日数

術前検査後は、手術まで受診の必要はありません。検査後最短で翌々日に手術が可能です。

同意書について

母体保護法に沿った『同意書』を提出していただきます。 原則、本人と配偶者(相手男性)の双方の署名・捺印した同意書が必要となります。 ご不明な点がある際にはどうぞご遠慮なくご相談下さい。

当クリニックでの中絶手術について

当クリニックでは手動真空吸引法(MVA)による人工妊娠中絶手術を行っています。 手動真空吸引法(MVA)は世界的に推奨されている中絶手術方法であり、WHO世界保健機構および世界産婦人科連合からも強く推奨されています。 安全性が高く、手術時間が短いこと、そして出血量が少ないことから母体への負担が少なく、WHOが推奨している手法です。

MVA法の特徴

1.子宮内に優しいやわらかな素材で作られている吸引管(ソフトカニューレ)を挿入し、手動で吸引するため子宮内膜を傷つけずにすみます。

2.MVAは1回きりの使い捨ての器具を使用しますので極めて清潔な状態で手術を行なうことができ、感染リスクが最小限に抑えられます。

手術の可否の判断

術前診察の中で当クリニックで手術が可能な状態か確認します。手術が可能と判断した場合でも、術中にこれ以上は危険だと判断した場合は中絶手術を中断させていただくことがあります。

手術までの流れ

1.検査

超音波検査で子宮内妊娠や当クリニックで手術が可能な状態かどうかを確認します。可能であると判断された場合には、感染症、貧血など手術に必要な術前検査を行います。 また、より安全に人工妊娠中絶手術をお受けいただくため、内服薬・アレルギー等の問診も行います。中絶手術後、当院よりお薬をお出ししますので、安全のため常備薬のある方はご持参もしくは、お薬手帳をお持ちくださいます様お願いいたします。
手術前に下記の項目を検査させていただきます。手術に関わる検査は自費検査となります。

血液検査
貧血検査・B型肝炎検査・C型肝炎検査・HIV検査・梅毒検査・血液型検査 ¥11,000

STD検査
クラミジア検査 ¥3,300

診察料 / その他
心電図検査 ¥2,200
診察料   ¥8,800

2.手術説明

担当医師より、手術の方法・麻酔の方法・合併症等を説明いたします。その後、手術日程の相談及び手術の注意事項・持ち物についてスタッフより説明をいたします。

3.手術前日

前日は、中絶手術開始の6〜7時間以上前までにお食事を済ませていただきます。前日の夜22時以降は飲食禁止です。常備薬のある方は、少量のお水で定時に内服をして下さい。

4.当日

※手術当日は9時過ぎにご来院いただきます。

持ち物

  • 手術代金 (〜7週6日:¥143,000、8週〜:¥176,000)
    ※詳しくは費用の項目をご参照ください。
  • 手術同意書
    ※必要事項をすべて記載してお持ち下さい。
  • 夜用ナプキン2枚、生理用ショーツ
  • 髪の毛の長い方はヘアゴム

注意事項

  • 当日はコンタクトレンズは使用しないでください。
  • 手術中の呼吸状態を観察しますのでノーメイクでご来院ください。
  • 手足の爪は短くし、マニキュア・ジェルネイルは必ず落としてください。
  • ピアス・ネックレスなどの宝飾品はご自宅で外してご来院ください。
  • 術後はふらつく方がいます。自転車・自分で運転をしての来院はおやめください。
  • 付き添いの方は院内でお待ちいただけません。
  • 同意書には直筆で必要事項を全てお書きください。虚偽の内容上記内容をお守りいただけない場合には当日でも手術をお断りする場合があります。

5.手術当日

(1)術前準備 当クリニックでは手術を安全に行うために手術前に子宮口を広げる前処置を行います。 経腟分娩をされたことがある方など診察状況により処置省略することがあります。前処置の際には麻酔を行いませんので少し痛みを感じる方もいらっしゃいます。 手術着に着替え、腕から点滴を入れ、手術まで1時間ほどお休みいただきます。
(2)麻酔 手術室に移動し、点滴より静脈麻酔を行います。完全に眠った状態を確認し手術を開始いたします。
(3)手術時間は約10分です。
(4)術後 麻酔の効果が切れるまで約2時間クリニック内のリカバリールームでお休みいただきます。麻酔から完全に覚め、歩ける状態になったら、術後診察を行い問題ないことを確認し、ご帰宅いただきます。 手術当日は9時過ぎにご来院いただき、ご帰宅は14〜15時頃になります。 前処置が必要ない場合は、ご帰宅は1〜2時間ほど早くなります。手術当日は自宅で安静に過ごして下さい。旅行やスポーツは術後2週間はお控えください。

手術に伴うリスクと合併症

麻酔
当院では静脈麻酔法で手術を行います。点滴から麻酔薬を投与し眠った状態で手術を行います。術前処置の際には麻酔は行いません。稀に麻酔薬の影響で呼吸が止まることがあります。また、麻酔の効きかたには個人差があります。

子宮損傷
妊娠すると子宮の筋肉が柔らかくなります。慎重を期し充分に注意をして手術を行いますが稀に子宮に穴が空く(子宮穿孔)ことがあります。その場合には、入院加療・開腹手術(子宮修復手術・腸管修復手術)などが必要になる場合があります。

遺残
術後に超音波検査を確認し子宮内に妊娠内容物の残り(遺残)がないことを確認し手術を終了します。
様々な要因で遺残が生じた場合には再度手術が必要となることがあります。

感染
予防目的に抗生剤の投与を行います。術後に高熱を伴う強い腹痛が見られる場合には子宮内・骨盤内感染が疑われますので受診をお願いします。入院加療が必要なこともあります。

出血
妊娠内容物が取り除かれた後、子宮は収縮し自然と出血を止めるようになります。稀に子宮の収縮が悪い場合(子宮復古不全)や子宮内の血管異常により出血が止まりにくい場合があります。その場合には入院管理及び輸血が必要となることがあります。

6. 術後(ご帰宅後)

術後1週間、1ヶ月目に術後検診を行います。全身状態、出血の状態などをチェックいたします。

術後に起こる症状

痛み
数日から1週間程度、生理痛の痛みが生じることがあります。これは手術後に子宮の収縮によって起こります。回復につながる痛みですが、痛み止めの内服でコントロール可能です。痛み止めの効かない痛みの場合には受診をして下さい。

出血
生理の時のような出血が約2週間前後みられます。量などには個人差がありますが、出血が多い場合でもほとんどは数日で出血量が減少しはじめます。数日してからかたまりが出る、おりものに少量の血液が混ざる状態が続くなど、出血量が多くない限り心配はありません。月経量がより多くなる場合等、にはご連絡ください。

発熱
微熱が出ることがあります。腹痛を伴う高熱の場合にはご連絡ください。

入浴
手術翌日より次回受診日まではシャワー浴のみにしてください。

術後の生理について

妊娠するとホルモンバランスが変化しますが、手術後はホルモンバランスが元に戻るまでしばらくかかり、ホルモンバランスが一時的に乱れた状態になります。こうしたことから、次の生理は1〜2ヶ月後に起こります。2ヶ月以上生理がこない場合は早めに受診してください。

術後避妊について

手術後は1〜4週間ほど不正出血が見られることがあります。性行為は手術2週間が経過し出血が落ち着いていれば可能です。次の生理は1〜2ヶ月後に起こりますが、それまでも妊娠する可能性はあります。 今後、避妊を希望の場合は、術直後から低用量ピルや子宮内リングによる避妊が可能です。ご希望の場合には担当医師もしくは看護師に事前にご相談ください。

費用

  • 〜7週6日まで ¥143,000
  • 8~11週 6日まで ¥176,000
  • 術後診察料 ¥3,850 / 回

処置や処方により追加料金が発生する場合があります。

持病をお持ちの方

高血圧・糖尿病・ぜんそく・てんかんなどがある、またはなったことがある方不整脈、心臓病、呼吸器疾患、アレルギーがある方 普段、お薬を飲んでいる方、過去に受けた麻酔で効果が出にくかった方、飲酒量が多い方、お酒に強い方 上記のような方は麻酔が効きにくい、または特別な処方が必要になる可能性があります。持病があって普段お薬を飲んでいる場合には、受診の際にお薬手帳か飲んでいるお薬をご持参ください。