乳がんの啓発でよく使われるのはピンクリボンですが、子宮頚がんにもリボンがあります。ホワイトアンドティールという2色使いです。ティールは青と緑の間の色で、鴨の羽の色から来ているようです。
10月のピンクリボン(乳がん啓発)月間に続き、11月は子宮頚がんの啓発月間です。
子宮頚がんは約73人に1人が罹患すると言われています。ほとんどの子宮頚がんは異形成という前癌病変を経て進行します。異形成にも段階があり、癌化するまでには年単位の時間を要します。子宮頚がんができる部位は腟内に顔を出しているため直接細胞を採取し検査をすることが可能です。癌化するまでに時間がかかること、直接検査が可能なことから、前癌病変で見つけやすい癌とも言えるためがん検診が有効です。
自治体が行うがん検診には胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頚がん検診の5種類がありますが、検診の段階で直接細胞をとって確認ができるのは子宮頚がん検診のみです。婦人科の受診・診察に抵抗がある方もいらっしゃると思いますが、検査自体は5分とかかりません、あっという間に終わります。
子宮頚がんは予防ができる数少ないがんです。今年からHPVワクチン接種が推進されています。多くの方に接種を受けていただいていますが、ワクチンで予防できるHPVは4価(公費)であれば16.18.6.11、9価(公費)であれば16.18.31.33.45.52.58.6.11のみです。4価で70%程度、9価で90%以上の子宮頚がん予防効果があるとされていますが100%ではありません。
ワクチンを打っているから検診を受けなくて良いと言うことはありません。前述の通り、子宮頚がんは異形成を経てがん化します。そのため前癌病変で治療を行うことが可能です。この段階で処置を行えばほぼ完治することが可能です。早期発見・早期治療のためにも20歳を超えたら定期的に子宮頚がん検診を受けてください。