更年期障害に対し多くの患者様の助けになっているプラセンタ・メルスモン注が先日より約1年間の出荷停止となりました。困りました。当院でも大変心苦しいのですが現在、新規患者様の受け入れをお断りし、継続の患者様も週1回の投与制限を設けさせていただいています。在庫がなくなり次第、メルスモンの投与は出荷再開まで中止となります。
メルスモンには自律神経調節作用があり更年期症状に効果があります。多くの患者様が定期的に投与し健康を維持されています。1年間という長い期間の出荷停止となりますので代替の対策を練る必要がありますが、残念ながらメルスモン注射の代替となる注射薬はありません。
ラエンネックもプラセンタ注射ですが、こちらは更年期障害には保険適応で投与することができません。同じような効果が期待はできますが自費投与になります。(1回につき1本2000円 2本2500円 3本3000円)現在ラエンネックには出荷調整がかかっており、今後1回量や投与間隔の調整を患者様にお願いする場合があります。
なにか、プラセンタの代替となるものはないのか?
飲むプラセンタ 注射の効果には劣りますが飲むプラセンタがあります。当院ではまだ採用はありませんが、現在導入を検討中です。導入されましたらUPします。
水素吸入 自律神経調節作用があり、副交感神経が優位になり、気分が落ち着く・よく眠れる等の効果が期待できます。また、抗酸化作用がありますので健康維持にも効果あります。睡眠障害等でプラセンタをお使いの方にお勧めです。
リポC ビタミンCには抗酸化作用や疲労回復作用があります。通常ビタミンCは水溶性であり多く摂取してもほとんどが尿とともに流れてしまいます。リポCは体への吸収率をUPできるように作られているビタミンCサプリメントです。3本まとめて飲むと高濃度ビタミンCと同じ血中濃度になるといわれています。プラセンタ投与の頻度が頻回でない患者様にはお勧めです。ちょっと疲れがたまった時、プラセンタを打ちたいなと思うときにまとめて内服をするのもお勧めです。もちろん毎日の健康維持や美容目的にも最適です。ビタミンCにはメラニン産生抑制効果・コラーゲン生成促進効果・シミ/しわの改善効果等があります。また、抗酸化作用があるためお肌の老化を防ぐ効果も期待できます。続けて内服することでプラセンタで得られるような肌質の改善効果が期待できます。
エクオール 大豆に含まれるイソフラボンから産生されるエストロゲン作用のある成分です。更年期障害の最大の要因は女性ホルモン(エストロゲン)の低下による自律神経失調です。ホルモン補充療法が更年期障害には効果がありますが、ホルモン剤に抵抗がある方、血栓症の既往がありホルモン補充ができない方等にお勧めです。プラセンタで更年期症状を抑えていた方がホルモン補充療法を試してみることも可能ですが、まずはエクオールからトライしてみるのもいいかもしれません。エクオールは効果の発現までに少し時間がかかる場合がありますので気長に内服をしてください。
大豆製品をたくさん摂ればいいのでは?と思われる方も多いかもしれませんが、日本人2人に1人は作れないといわれています。検査キットもありますがやや高価ですし、年齢や環境等で作れる・作れないに変化が出ることもわかっています。作れた場合にどれだけの大豆製品を食べればいいのか。お豆腐なら2/3丁、納豆1パック、豆乳200mlいずれかで十分な量が作れるといわれていますが毎日摂らないと意味がありません。体調等で実は作られていなかったということもあり得ます。安定してエクオールを摂るにはサプリメントがお手軽です。サプリメントなので血栓症の既往のある方、乳がんの既往がある方も内服することができます。
メルスモンの出荷停止は更年期障害の患者様には大変痛手となります。医療者にとっても患者様へご提供できる医療手段が減ることになり困っています。保険でメルスモンに変わる薬がないため、代替の治療やサプリメント等をご提案させていただきます。1年という長い期間ですが一緒に乗り越えていきましょう。